昨年4月18日に暫定平行滑走路が供用され、1年が過ぎました。
 周辺地域では、この供用により生活環境が大きく変化しました。国や空港公団は、新たな問題が発生した場合には地域に対して速やかに対応すると約束しています。共生委員会では、地域での変化について調べ、さまざまな角度から議論してきました。まとめて報告しましょう。

■騒音
「北側への離陸が増えている、北側のW値が上がった」
 
 2001年度(平成13年度)と2002年度(平成14年度)を比較すると、4000m滑走路周辺地域の騒音はどのように変化したのでしょうか。
 図でみると、2002年度(平成14年度)は、北側でW値が上がっています。なぜでしょうか。
 W値が上がった所は北側の測定局33ヵ所のうち30ヵ所、このうち年平均1W以上上がった所が15ヵ所もあります。共生委員は「騒音値が1W上がるということは、住民にとっては相当痛い話」と、述べました。
 空港公団は、このことについて、「空港北側のW値が上がったのは、北側へ離陸する航空機が多かったためと思われる。航空機は風に向かって飛ぶ。北からの風が多かったので北側への離陸が増えた」と、述べました。また、「冷夏の年は、北へ飛ぶ率が高くなる。昨年は60%近い航空機が北へ飛んだため、W値が高くなった」と、報告しました。
 そもそも騒音区域のコンターは南北比50%対50%を基準として引かれたもの。「北側への極端な増加は、コンター策定の根幹を揺るがす問題ではないか」と、指摘しました。

「谷間地区のW値が上がった」

 谷間地区には南北合わせて8つの騒音測定局があります。2002年度(平成14年度)は、このなかの6局でW値が上がり、うち4局で1W以上上がる結果が出ました。
 共生委員は「谷間地区のW値は確実に上がった」「W値の算式に問題があるのははっきりしている。算式を修正すれば、数値はさらに上がるのでは」と、指摘。空港公団は「谷間地区の騒音が上がっているのは確か。新たな変化もあり、いろいろご迷惑をおかけしている。特に北側の方から問題提起されているので、どのような対策ができるか、これから考えていきたい」と、答えました。


空港周辺W値変化比較図 


発着回数実績

単位:回(%)

  2001年度
(平成13年度)
2002年度
(平成14年度)
4000m滑走路 4000m滑走路 暫定平行滑走路
空港北側 離陸
33,746  (52.8)
39,926  (60.0)
12,289  (55.5)
52,215  (58.9)
着陸
30,171  (47.2)
26,607  (40.0)
9,855  (44.5)
36,462  (41.1)
北側合計
63,917  
66,533  
22,144  
88,677  
空港南側 離陸
30,750  (47.2)
28,246  (43.4)
7,719  (34.2)
35,965  (41.0)
着陸
34,333  (52.8)
36,874  (56.6)
14,849  (65.8)
51,723  (59.0)
南側合計
65,083  
65,120  
22,568  
87,688  
合計 離陸
64,496  (50.0)
68,172  (51.8)
20,008  (44.7)
88,180  (50.0)
着陸
64,504  (50.0)
63,481  (48.2)
24,704  (55.3)
88,185  (50.0)
合計
129,000  
131,653  
44,712  
176,365  


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