■大気質
「3つの項目で基準値を超えた」

 大気質を測定する常時監視局が空港周辺に6局あります。ここで、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素など6項目を測定しています。
 結果について空港公団は、「2002年度(平成14年度)は前年度とほとんど変化がない。ただ、光化学オキシダント、浮遊粒子状物質、非メタン炭化水素は環境基準や指針値を超えていた。浮遊粒子状物質については、4月に2日間、中国大陸から飛来した黄砂の影響によるもの」と、報告しました。
 共生委員は、「最近、蓮沼では子どもの頃のように富士山が見えるようになった。いくぶん大気の状態が良くなったのかなと思うが、空港周辺地域の大気の状態は、千葉県や全国の標準からするとどれくらいのところにあるのか」と、たずねました。これに対して空港公団は、「測定局ができて3年しか経っていないため、データがなく、比較はできない。光化学スモッグ注意報は成田市で年に1〜2回出る程度で、京葉工業地帯では10回前後出ている」と、述べました。


■水質
「川の水に比べて、pHが高い」

 空港公団は、水質や地下水位を観測しており、2002年度(平成14年度)の観測結果は前年度と比べ大きな変化がないと、報告しました。
 水質は、根木名川の環境基準値を目標値にして管理しています。それによると、2つの放水路の水素イオン濃度が上昇し、滞水池の溶存酸素量が減少するなど、3ヵ所で不適合という結果が出たということです。
 これについて共生委員は「ふつう、川の水の水素イオン濃度指数はpH6前後、田圃の水は昔から5ちょっとくらいというふうに言われてきた。ところがpH7〜9と非常に高い値を示している。なぜこんなに高くなったのか。このpHの水が田圃に入ると何か影響があるのでは」と、質しました。空港公団は、これに対して「原因を調べる」と、答えました。さらに委員は「汚水は河川に流れ出る可能性があるので、改善する必要がある」と、指摘しました。


■住民相談
「騒音や電波障害への苦情や相談が増えた」

 空港公団には3つの相談センターがあります。このセンターに寄せられる相談は、暫定平行滑走路供用でどのように変化したのでしょうか。
 表をみると、騒音、電波障害についての問い合わせが特に増えたことがわかります。
 具体的には「自宅上空を6時前に飛行機が飛び、うるさい。移転できないか」「今日はとくにうるさい、防音工事はどの程度うるさければやってもらえるのか」「夜間の飛行機がうるさい」「テレビが見えにくい」などの問い合わせがあったということです。
 共生委員が「住民との細やかな意思疎通が必要」と指摘したのに対して、空港公団は「運用状況や短期測定の結果など極力報告させていただきたい」と、答えました。

住民相談件数

単位:件

相談内容

2001年度
(平成13年度)
2002年度
(平成14年度)
  生活設計  移転 11  3 
 雇用 163  198 
 騒音用地等 49  28 
  環境関連  騒音 229  395 
 電波障害 76  115 
 防音工事 24  27 
 その他 15  19 
  地域振興  農業関係 5  4 
 その他 2  7 
  地域交流 126  95 
 空港建設・
 運営
 空港建設 7  2 
 管理運営 54  75 
   その他 166  181 
   合計 927  1149 





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