民営化にともなう今後の共生委員会のあり方

双方向の対話による問題解決に努力する


 空港公団の民営化により、成田空港問題に一大転機がもたらされました。
 こうした新しい状況のなかで、地域と空港のさらなる共生の実現に向けて、共生委員会では、時代の流れに沿った適切な役割を果たすことができるように、共生委員会を再構築する必要があるとして、次のように考えをまとめました。


1.共生の前進に向けて

(1)共生の理念は変わらない
 成田空港は巨大な内陸空港であり、地域との軋轢など長い経緯からみて、地域と空港の共生はまさに宿命的な課題である。
 このことは民営化後も、いささかもかわることはない。成田国際空港株式会社法においても、「周辺の地域の住民等の理解と協力を得ることがその事業の円滑な実施を図る上で不可欠」(第6条)であるとし、前回の共生委員会(2月6日)においても確認された。

(2)合意事項の点検もあらたな展開へ
 共生委員会は、地域、住民の立場に立って、住民の目線で、空港からのマイナスの影響を調べ、改善することを主要業務としてきた。このため、円卓会議合意事項(7項目22事項)の実施状況の点検を続けてきた。国、空港公団(当時)の真摯な対応により、総体的には大きく前進してきた。しかし、空港公団が民営化されたいま、新しい状況にふさわしい点検方法が求められている。点検対象の重点化、点検作業の効率化など、点検の新展開をめざすことが必要になる。

(3)地域と空港の間に立って
 これまでの共生委員会は合意事項の実施状況の点検を中心に、地域と空港の共生の実現に向けて努力してきた。その点検についても、問題点の指摘にとどまらず、地域と国・空港会社との間に立って、課題の解決に向けて、前向きな議論ができるよう配慮する必要がある。共生委員会は、地域と空港会社が双方向、対話型の関係を築き、ともに生きる道を模索する先導役として期待されていることを重く受け止めなければならない。

2.民営化後の部会の取り扱い

 今後の部会活動については、地域部会と情報公開部会を中心に活動する。
 歴史伝承部会は、(財)航空科学振興財団に移管し、引き続き歴史伝承に係る活動を継続することとなった。
 地域づくり部会は、上部組織である地域振興連絡協議会(地連協)に移管し、6月の地連協総会を経て、具体化に着手する。


 共生委員会は、この報告書のおわりに、今後とも、自らの使命を十分に認識し、建設的な点検の実施と、双方向の対話による問題解決に努力し、地域と空港の共生実現に総力をあげて取り組むとしています。



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