隅谷三喜男先生を偲んで

 隅谷三喜男さんが2月22日、逝去された。86歳だった。先生は、「成田空港問題シンポジウム・円卓会議」の座長を務め、成田空港問題の平和的解決に10余年尽力された。
 初めてお会いしたのは91年初夏、千葉県庁の一室であった。その際、「私は癌でね、体力的に自信がないが、成田のことは大切な問題なので引き受けました」と、にこやかにおっしゃったのを忘れることができない。
 以来、折に触れて、お話をお聞きした。父親が教会の長老で、東京の麻布谷町で貧民学校を開き、様々な方が出入りし、そうした環境が人格形成に大きな影響を与えたこと。東京大学経済学部を卒業後、現場から経済学を見つめ直したいと思い、中国で働いたことなど。
 最後にお会いしたのは、昨年の12月25日だった。開口一番、「私はね、成田のことはもうやらないよ。君達で頑張りなさい。やり残したことがあるので」と話された。「成田のことを報告する時間はいただけますか」と尋ねたところ、「うん、それはいいですよ」とおっしゃられたので、私は胸をなでおろした。このように未熟者の私にも丁寧に向き合って下さった。
 告別式は3月1日、東京女子大学でおこなわれた。小雨の降る中、1,000名余の人々が参集し、別れを惜しんだ。
 私が出会った人々の中で、神様が人間の姿をしていたら、こんな感じかなと思える、厳しく優しい方だった。隅谷先生、ありがとうございました。
                                                                            事務局次長 大塚 敦郎
 第43回成田空港地域共生委員会を2月5日に開催しました。
◆議題
(1) 2003(平成15)年度事業計画(案)
(2) 空港公団の民営化
(3) 暫定平行滑走路の地域環境への影響
(4) 報告事項
  成田空港環境レポート(vol.7)の発刊
  平成15年度新東京国際空港公団予算内示
  第3サテライト供用
  低周波実態調査
  「航空機騒音に関する勉強会」について
(5) その他
◇ 議題(2)より
 国土交通省より、「成田空港に関連する主要業務と民営化後の対応」について説明がありました。それによると、民営化後の主要業務ごとの実施主体は、現在空港公団がおこなっているものは特殊会社が、国・エアラインがおこなっているものはそれぞれが引き続きおこなうとし、現状と変わらないとのことでした。
 環境対策、共生策については、国、空港公団、千葉県、周辺市町村でおこなう四者協議の場で、会社としての責任の持ち方や国がどう監督するかといった規定を設けることなどが検討されています。
 これについて委員からは、可能な限り、行政レベルだけではなく地域住民の理解を求められるような、あるいは意向を反映できるような機会をつくっていただきたいとの意見が出されました。
 その後の経過について、詳しくは本文をご覧ください。




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