○2003年度の活動
 本年度は、「空港問題初期」をテーマに、空港反対同盟や条件派団体の形成についての調査、元県職員に対する調査を重点的におこないました。各種資料の一括受け入れも複数ありました。
「元小川プロダクション資料」の映画フィルム。
デジタル化に着手しました。

 資料整理としては、目録化を進めるほか、映画フィルムのデジタル化や古地図の複製化なども実施しています。
 先進事例視察としては、国立歴史民俗博物館企画展「はにわ―形と心―」を見学したほか、東京都新宿区の高麗博物館、兵庫県神戸市の阪神・淡路大震災関連施設等を訪問しました。
 こうした年間の活動をまとめた報告書を年度末に発行しています。

○歴史伝承部会の任務
 歴史伝承部会は、成田空港問題の発生から対立、共生へ向けた全過程を正確に伝えることを任務としています。
 そのために、空港問題と、その背景となる地域の風土や歴史に関わる資料の収集、関係者への聞き取り調査をおこなっています。対象者の多くは高齢化しており、どれだけ多くの証言を残せるか、時間との闘いです。

○企画展示
 集めた資料・証言を元に、企画展示も実施しています。
 1999年度から2001年度にかけては、「空港前景 木の根・天浪の戦後開拓」と題した巡回展をおこないました。現在、空港がある所が元々どんな場所だったのかを知っていただくため、空港ターミナルビルなどで開催した展示は、好評のうちに終了しました。

○今後の課題
 これまでに約100名の方に対する聞き取り調査をおこない、集めた資料は紙資料、モノ資料、映像・音資料などさまざまで、2万点近くにのぼっています。これらを埋もれさせるわけにはいきません。
 活動の成果を公表するための常設展示の場を設けること。それをどのような形で実現させていくかが最大の課題です。
 みなさんのご支援ご協力をよろしくお願いします。

1947(昭和22)年頃の御料牧場。空港ができる前は、こんな風景が広がっていました。


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