成田空港地域共生委員会は1994年(平成6年)12月、地域振興連絡協議会によって設立されました。それから8年、共生委員会は空港からマイナスの影響を受ける地域、住民の立場に立って、空港の建設・運用をチェックし、地域住民からの苦情などを受けとめる第三者機関として活動してきました。
 2002年度(平成14年度)も、本会議をはじめ地域部会、情報公開のあり方〈内容と方法〉を検討する部会、地域づくり部会、歴史伝承部会、連絡調整会議、広報編集会議などを中心に、幅広く活動しました。さっそく内容を報告しましょう。

1.合意事項の点検
 第1の業務は円卓会議合意事項の実施状況の点検です。
 騒音問題をはじめ、移転問題、落下物問題、環境問題、電波障害、滑走路計画、移転跡地など22項目にわたって点検しています。
 暫定平行滑走路の供用が地域にもたらす影響を把握するため、地元自治体、地域住民とともに独自に航空機騒音の調査をおこないました。
 農業用ビニールハウスの汚染問題については、引き続き、空港公団、横芝町、松尾町の住民と汚染状況を調べました。
 空港公団がおこなった離着陸時の低周波音調査にも住民とともに立ち会いました。
 落下物問題については、南側からの着陸時に洋上で脚下げをおこなうことが有効な対策であることから、国土交通省新東京空港事務所は蓮沼海岸の両滑走路の着陸機が目視できる地点で、4回にわたって実施状況の点検をおこない、共生委員会も立会いました。

2.住民相談、住民との交流
 共生委員会は、日常的に地域のみなさんの要望、意見、苦情をお受けしています。
 暫定平行滑走路供用以降、騒音下の方々から多くの苦情が寄せられました。飛行コースを守っていない、音がうるさい、移転したい等の内容でした。できる限り現場に行き、実際に状況を体験したり、お話をお聞きするなどの対応に努めました。
 また、地域部会が中心となり、周辺市町村の住民、住民団体と交流会等をおこないました。

3.空港の情報公開の点検
 3つ目の業務は、空港公団がおこなう情報公開の内容と方法の点検です。
 簡明なパンフレット『成田空港環境のおはなし〈共生への取り組み〉』が周辺市町村、関係団体等に配布されました。

4.地域づくりに資する調査、研究
 空港の活力を地域に活かすための調査、研究をする「地域づくり部会」が発足し、活動をはじめました。
 芝山鉄道開業記念フェスティバルに参画し、空港を核とした地域づくりに資する研究交流会を開催しました。ドイツ、福岡、愛知、福島の住民の方と議論をし、地域づくりには、住民の主体的な取り組みが必要であることを再確認しました。





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