5項目17事項の点検が一巡して。

 円卓会議合意事項は騒音問題から移転跡地の整備まで、7項目22事項と多岐にわたりますが、その多くは実施に移されてきました。一方で、地域には依然として不満があり、あらたに発生した問題も抱えています。
 共生委員会では、空港の民営化以降、「今後中心となる課題」5項目17事項に力点をおいて、重点化、効率化を図りながら点検してきました。
 2006年(平成18年)2月、この新展開での点検が一巡したため、5項目17事項についての点検の経緯、現状、問題点の把握、今後の対応をとりまとめ、点検一覧表や点検日誌とともに本会議で報告しました。

あらたな点検の流れへ。

 また、2006年(平成18年)2月以降、さらに点検内容を整理して、次のように点検することとしました。

1.重点をおく事項
航空機騒音・W値の逆転現象への対応
滑走路計画・22時台の便数(10便/日)の遵守
 平行滑走路にかかわる問題は、事態の推移を見守りながら、継続的に扱う

2.必要に応じて報告を求める事項
航空機騒音・民家防音工事におけるサッシの軽量化と改善策、民家防音工事の経年変化対策、飛行コースの遵守、防音林・防音堤の整備
環境・地域環境、騒音下住民の健康に与える影響の把握
落下物・再発防止―とくに北側からの着陸時の対策

3.事態の推移を見守る事項
その他の事項については、事態の推移を見て対応する

項目 事項 2004年度の点検内容 2005年度の点検内容



航空機
騒音
W値の逆転現象への対応   騒音評価基準見直しは、住民が不利にならぬよう注視。諸外国の指針・基準との比較や共有可能な方式採用など申し入れ期待
民家防音工事の恒久的助成制度に向けた「再々助成制度」の検討 完全民営化までに結論を得るよう検討を進める  
民家防音工事におけるサッシの軽量化と改善策 継続して状況把握に努め、サッシメーカーに働きかける。改良があればすみやかに広報する  
民家防音工事の経年変化対策 対策の強化を。あらたな防音工事については、遮音効果を測定する。経年変化把握体制確立を期待  
飛行コースの遵守   逸脱機への対処は評価するが、さらに努力を。着陸復行は状況説明を丁寧にして住民の不安を取り除く努力を
4000m滑走路関連、平行滑走路関連の防音林・防音堤の整備 未取得地の早期取得に努め、整備計画をより積極的に推進する  
発生源対策として、今後も航空機の低騒音化に取り組む   低騒音化への積極的取り組みを評価。低騒音化のメリットが地域住民に反映されるよう注視する


環境
地域環境、騒音下住民の健康に与える影響の把握( 航空機騒音、大気質、低周波空気振動、営業騒音等)   航空機騒音、大気質、水質=実効性ある努力を注視する
低周波空気振動=生活環境維持への基準確立を
営業騒音=今後、空港容量の変化で影響も
航空機騒音健康影響調査=平行滑走路供用後に再協議
農業用ビニールハウス汚染の原因究明   カーボン(汚染原因の10%)の由来は解明不可能。今後、技術の進展に応じ協議する
緑、林の回復について計画的な推進 整備計画に基づき、可能な限り緑、林の回復を  
移転跡地の十分な管理および有効活用 より積極的な利活用を望む  
落下物 再発防止―とくに北側からの着陸時の対策   効果的な対策を模索し、住民にわかりやすく周知する
電波障害 電波障害対策は、今後も継続して工事を進めていく 暫定平行滑走路の追加対策工事は、計画どおりの実施を期待する  



滑走路
計画
平行滑走路については、話し合いにより解決   北伸選択はやむを得ない判断。住民に十分な理解が得られるよう努力を。東峰区住民とも誠実な対応を
横風用滑走路については、平行滑走路が完成した時点であらためて地域社会に提案し、賛意を得る   議論する段階にはなく、当面これを見守る
平行滑走路の供用開始時における発着回数は20 万回を限度として、その後の回数増加は地元と協議する   騒音対策は、発着回数23.5万回を想定した実施が提案されているが、まず20万回から22万回への増便について地元との丁寧な協議を注視する。国・空港会社は22万回時の各滑走路の年間発着回数、1日あたりの運用計画を示すことを望む
22 時台の便数(10 便/日)の遵守   改善効果がみえず、あらたな対策の考案が必要


←戻る