共生委員会は、第7期をもって終了するにあたり、7期14年にわたる円卓会議合意事項の点検について各事項の総括を行いました。
T重点をおく事項
●W値の逆転現象への対応
航空機騒音に関わる環境基準が一部改正され、評価指標がWECPNLからLdenに変更されることになりました。これによって、逆転現象は解決されます。
一方、Lden研究会からは、航空機騒音による夜間の睡眠妨害が健康被害の主因をなすとの報告がありました。これをもとに共生委員会は、夜間の騒音を軽減することが重要であるとして、22時台の便数の遵守、航空機の低騒音化、新たな騒音評価方式への移行にあたっては、住民感覚により近づくよう改善を図る、などについて関係者の協力を要請しました。
●平行滑走路の供用開始時における発着回数は20万回を限度として、その後の回数増加は地元と協議する
22万回への増便はすでに了承されていますが、国土交通省と空港会社は、2500m平行滑走路の供用までに、地元に対して、22万回時における各滑走路の年間発着回数と1日あたりの運航計画をより詳細に示すなど、住民感情に配慮した丁寧な説明を行うことが必要です。また、今後、さらなる発着回数増加の協議が行われる場合も、双方向対話型の丁寧な話し合いをするよう、要請しました。
●22時台の便数(10便/日)の遵守
成田空港では、騒音対策のため、22時台の便数は各滑走路とも1日10便以下と決められています。これについては、関係者の努力で徐々に改善されてきましたが、いまだ守られるには至っていません。国土交通省は、21時台の出発便の遅れが主な要因であるとして、運航スケジュールの調整に努めています。
国土交通省と空港会社は、暫定平行滑走路の運用時間を制限していましたが、これを解除し、2009年(平成21年)夏ダイヤから、4000m滑走路と同じ6時から23時までにすると発表しました。制限解除にあたっては、22時台の運航に影響を及ぼさないようスケジュール調整を行うことを要望しました。
2500m平行滑走路の供用開始時には、両滑走路において22時台運航の合意事項を遵守できるよう、航空会社に働きかけることを要望しました。
U必要に応じて報告を求める事項
●民家防音工事の経年変化対策
防音工事を開始してからすでに四半世紀が過ぎました。そのため、住宅の老朽化や防音工事箇所の老朽化が生じています。経年劣化を正確に把握できる体制を早急に整備するとともに、新たな防音工事についても計画通りの遮音効果があるかどうか測定を行うなど、定期的な経年劣化の把握に努めるよう要望しました。
●落下物の再発防止
南側から進入する航空機は、洋上で脚下げすることによって氷塊の落下を防止しています。しかし、2008年度(平成20年度)は、2件の航空機部品の落下事故が生じました。落下物は、住民にとって生命に関わる問題であり、航空会社への指導・要請の徹底を強く要望しました。
V事態の推移を見守る事項
民家防音工事の恒久的助成制度に向けた「再々助成制度」の検討、電波障害対策などについて、引き続き努力するよう要望しました。 |