共生委員会だより vol.51

落下物対策について、国や空港会社から、次のように3つの報告がありました。
 

航空機からの落下物

 行き交う航空機の下で暮らす住民にとって、航空機からの落下物は、とても不安なことといえます。
 国土交通省では、1980年(昭和55年)から落下物について記録をとっていますが、それによると、年間件数は1989年(平成元年)の19件、1990年(平成2年)の17件をピークに減少し続け、2004年(平成16年)には、0件となりました。しかし、その後の2年は落下物の報告が続いています。
 2006年度(平成18年度)は、2件の報告がありました。
 1件は、空港南側の横芝光町に氷の塊、もう1件は、北側の成田市に航空機の部品が落下したということです。
 幸い地上での事故はありませんでしたが、共生委員会では、落下物ゼロをめざして関係者が日々努力していくよう要請しました。

洋上脚下げ遵守率は?

 成田空港に南側から進入する航空機は、氷塊落下を防ぐために洋上で脚下げをすることになっています。
 国土交通省と空港会社は、毎年、南側からの進入が増える冬期、11月から翌年3月まで、洋上脚下げが実際に行われているか、蓮沼海岸殿下海水浴場で目視による点検を行っており、共生委員会も国土交通省の点検に立ち会っています。海岸からは肉眼や双眼鏡で脚下げの様子が確認できるため、調査員は首を持ち上げてひたすら航空機のお腹を眺めるのです。調べるのは、4000m滑走路と暫定平行滑走路の両方に向かって降りてくる航空機です。
 2006年度(平成18年度)の点検結果は、4000m滑走路へ進入する航空機は2,478機中、不適切機が1機、暫定平行滑走路では1,319機中、不適切機は11機、遵守率99.2%でした。
 共生委員は「努力の成果はでているといえるが、ゼロになるようがんばっていただきたい」と述べました。

航空機への氷塊付着状況調査

 北側から進入する航空機の有効な落下物対策がないため、空港会社では、落下物のひとつである氷塊について、航空機への付着状況調査を重視してきました。毎年冬に約2週間、成田空港に到着した航空機の機体に氷塊が付着しているかどうかを目視で調べています。

 2006年度(平成18年度)の調査は、2007年(平成19年)1月15日から2月1日まで、土日を除いて毎日実施されました。調査した便数は2,269便、そのうち着氷が認められたのは2便で、前年度の15便より大きく減っています。
 この調査によると、氷塊が付着する場所として、過去には、ラバトリー付近があげられてきましたが、2005年度(平成17年度)に続いて2006年度(平成18年度)もラバトリー付近への付着はありませんでした。
 今回、氷塊が付着していた場所は、胴体のお腹部分にあるドレーンホールという胴体内部にたまった水を排出する水抜き穴の近くです。通常、ドレーンバルブによって地上付近まで閉じられています。付着の原因としては、水を抜くドレーンバルブの機能の不具合か、付近にたまった水が流れ出て氷結したのではないかとみられています。
 共生委員会は、このような原因究明によって、落下物対策が効果をあげるよう、さらなる関係者の努力を求めました。
 

 
 青唐辛子を大きなシソの葉2〜3枚で巻いた漬け物が、「シソ巻き」です。このシソ巻きを40年も作り続けている桜井道雄さん茂子さんご夫妻を成田市高倉地区に訪ねました。
 シソ巻きは、もとは利根川近くの茂子さんの実家でお母さんが作っていたのを教わって茂子さんがつくるようになり、茂子さんの周りの農家に広まったとのこと。「多いときには農家20軒あるうちの半分で作っていました。おばあさんたちのいい副業。90歳までつくっていた方もいましたよ」。
 シソは彼岸の頃に種をまき、葉を大きくするために一本立てにして育てます。摘むのは、6〜7月。唐辛子は3月はじめに種をまき、5月に苗植え、収穫するのは7〜9月。収穫したシソは塩漬けして2ヵ月、塩がなじむようになると、巻き込み作業。桶につけ込んだシソ巻きは、冬場の安定した温度のなかでじっくりと発酵がすすみます。
 「稲刈りが終わるとシソ巻きの作業に入るんです」と茂子さん。ご主人の道雄さんは「私の本職は米作り、シソはお手伝い」と少々遠慮気味。桜井家では、シソと唐辛子で2反歩。肥料にこだわり、堆肥と、EM菌で発酵させたぬかの肥料とを1年ごとに交互に入れて土をつくり、質のいいシソと唐辛子をつくるように心がけているとのことでした。


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