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共生委員会は設立後、12年が経過し、この間、地域と空港の共生は徐々に実を結びはじめ、期待された使命を相当程度、果たしてきました。しかし、住民の中には、依然として懸案解決を求める声があります。国土交通省、千葉県(地域振興連絡協議会事務局)、空港会社は、共生委員会第7期の活動をどのようなスタンスで進めていくかについて話し合い、本委員会でその内容について報告しました。 |
(1)長期的見地からの方向性
成田空港は内陸空港であり、地域と空港の関係が密接不可分であることから、対話の場は今後とも必要である。
一方で、成田空港は、我が国最大の国際拠点空港としての役割を担うことを強く要請されると同時に、地域との関係についても、完全民営化のもとでの共生のあり方が問い直されることになろう。こういう状況の中で、新しい共生スキームを形成し、対応していくことが不可欠である。
共生委員会の第7期は新しい共生スキームができるまでの過渡期として、何らかのシステムチェンジを模索する時期にあたり、時に実験的な取り組みを試みることが必要になる。
(2)第7期における具体的な対応
(イ)円卓会議合意事項の発展的解決
共生委員会はシンポジウム、円卓会議の流れを受けて設立された。主要業務である円卓会議合意事項の実施状況の点検については、「成田空港問題円卓会議合意事項点検記録集」(2005年〈平成17年〉11月刊)が示すように、懸案の多くは解決に近づきつつある。
第7期の点検作業は対象項目を一層絞り込み重点化する。さらに、問題を具体的かつ発展的に解決するという視点で臨む。
(ロ)双方向対話型の具現
共生委員会が地域住民と空港関係者の対話の場を確保するにあたっては、双方が責任ある言動で向かい合い、前向きな結論を出すことを目指す双方向対話型の形で進めなくてはならない。
(3)共生スキームのあり方の検討
今後、新たな共生スキームが議論される過程において、共生委員会自体の見直しも俎上にのると考えられる。その場合は、別途検討に着手し、国土交通省、地連協、空港会社、さらには学識経験者で構成するチームに検討を委ね、共生委員会の意向も踏まえて、結論を出す。
共生財団、歴史伝承委員会などの関係機関についても、共生スキーム全体の枠組の中で見直しが行われることになるが、それぞれの機関の固有の状況を配慮し、適切に措置する。
第7期は極めて流動的な状況の中で発足した。それだけに、状況の変化、時代の要請を誤りなくとらえ、より良い未来に向けて、地域と空港がともに、一層発展的な方向に向かえるよう、従来の発想と手法を超えて前進することを期待する。
これを受けて、共生委員会は、「成田空港問題と真正面から向き合い、地域と空港の本当の共生実現のために努力したい」と、見解を述べました。 |
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