共生委員会だより vol.50
 2006年(平成18年)9月29日、共生委員会では、多古町航空機騒音等対策協議会のみなさんと交流会を行いました。
 参加したのは、多古町一鍬田区、間倉区、喜多区、林区、水戸区、船越区、牛尾区の住民のみなさんと国、千葉県、多古町、空港会社、共生委員会です。
 はじめに『成田空港の現状と課題』と題して講演が行われました。
 共生委員会の山本代表委員は、「問題をとらえる新しい視点」について「共生をどのように考えて行けばよいか今一度、検証する必要がある」と述べました。国土交通省航空局成田国際空港課の羽尾課長は、「みなさんのご理解を得てここまでたどり着いたが、まだ課題があることは十分認識している。今後も努力していく」と述べ、空港会社の伊藤常務執行役員は、「環境対策と平行滑走路北伸整備について、ようやく着工にこぎつけたが、今課せられている大事なことはきちんと工事を進めること」と説明しました。
 このあと、7地区の住民のみなさんから、騒音対策区域の拡大、飛行コースの遵守、空港周辺道路の整備、電波障害対策などについての要望や質問があり、各担当者が対応について答えました。
 共生委員会では、このような地域との交流会を今後も各地域で行っていく予定です。

 18歳から酪農に従事している多古町の松澤三千夫さんを訪ねました。乳牛を育てるというのは、どういうご苦労があるのでしょうか。さっそく牛舎を案内していただきました。牛舎にはずらりと乳牛が42頭、出産をひかえた牛が16頭、子牛が16頭います。搾乳は朝と夕方の2回、1日1トン200CCパック5000個の牛乳を毎日出荷しているとのこと。
 入口近くの牛が珍入者を見てジロリ。松澤さん、「慣れない人にはいつもこうです」ということで、音をたてないように牛に近づきました。おや、牛の耳を見ると、どの牛にも、なにやら札のようなものが。「耳標といって、名前や生年月日、親牛を記入し登録しています。人間の戸籍のようなもので、この牛は世界に1頭しかいないことを記しているんですね」。
 1頭ずつこんにちはと挨拶しながらすすんで行き、牛の脚元を見ると、清潔なわらが敷き詰められ、糞で汚れたところが1カ所もありません。それもそのはず、ここでは、糞を定期的に機械で運び出しています。「牛の健康は何よりも大切。だからこそ牛舎の管理も大切なんで」とのこと。もしや、食事もコンピュータ管理、ですか。「はい、餌は、麦や豆類の牧草13kgと配合飼料14〜16kgを食べさせます。配合飼料は、トウモロコシ、大麦、大豆、ビートパルプ、ヘイキュブ、綿実などが混合されています。これらを4時間おきに1日6回あたえています。いや、コンピュータ管理といっても、基本は人間の観察。1頭ずつ目で見て、体調を把握して、餌のぐあいを調整するんです。人間と同じですよ」。1頭1頭わかるんですね。「はい、牛に密着して暮らしていますから。それに搾った牛乳の成分でも牛の健康がわかるようになっています」と、松澤さん。牛舎には42年間の酪農への想いが凝縮しているようでした。


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