さる5月26日、地域部会の委員が中心となって騒音評価方法についての勉強会をおこないました。講師は、成田市の林副技監です。

 我が国では、航空機騒音を測る基準としてWECPNLというICAO(国際民間航空機関)が1969年(昭和44年)に提唱した評価指標を簡略化したものを採用しています。しかし、近年、多くの国でこれとは異なる等価騒音レベルを基本としたLAeqという評価指標が採用されているため、日本のデータは諸外国と簡単に比較できない状況にあります。

 また、成田空港では、2002年(平成14年)4月の暫定平行滑走路供用後、滑走路1本のみの値に比べて、2本の滑走路を合わせた値の方が小さくなる逆転現象が発生しています。
 講演では、なぜWECPNLでこのような現象が起きたのか、LAeqという世界の主流となっている騒音測定評価方法はどのような方法なのか、LAeqで測定した場合のメリットやデメリットなどについて説明を受けました。
 さらに成田市の研究報告や関連研究の説明を受けました。それによると、WECPNLでは環境基準を満たしているものの、LAeqでは、WHO(世界保健機関)の出している「人間の心身に与える影響について」の環境推奨値をこえる日が相当あるということでした。

 勉強会に参加した委員は、LAeq は「外国との比較ができ、国内でも道路や環境騒音などと比較できる」「人間のうるささの感覚に近い」「空港敷地近くで問題となっている地上にある飛行機から出る音は、WECPNLには加味されないが、LAeq では評価できる」「騒音の継続時間が考慮されているため、直下ですぐに通り過ぎる飛行機の大きな音も、遠くで長く聞こえるそれより小さな音も、評価値に反映される」などと語りました。


 


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