共生ワーキングループ

日  時: 2008年(平成20年)12月17日(水)午後1:00〜
場  所: 成田空港地域共生委員会事務所
出席者: 国土交通省、空港会社、千葉県、共生ワーキンググループ、共生委員会運営チーム
 
◇議題
1.点検
(1) 円卓会議合意事項
全事項の点検結果総括
 円卓会議合意事項点検総括(案)の事項別部分について、事前に委員および関係者から出された意見をまとめた資料「円卓会議合意事項点検結果総括(原案)に対する意見」に基づき、事務局から説明し、協議した。
 その結果、重点をおく事項の「平行滑走路の供用開始時における発着回数は20万回を限度として、その後の回数増加は地元と協議する」に議論が集中した。概要は次のとおりである。
対応状況に、成田国際空港都市づくり推進会議の議論の過程で空港会社に諮問のあった「成田空港の容量拡大の可能性について」の文を加える。
総括の「また4000m滑走路の暫定措置(1日あたりの発着回数370回)の対応についても地域への説明を望む。」について議論がなされ、一部、表現を修正した。
 その他の事項は、ほぼ原案どおり修正することが了承された。
 22時台の便数の遵守に関連して、暫定平行滑走路の深夜・早朝時間帯の運用制限の解除について、国土交通省から報告を受け、協議した。
 また、本来の合意事項7項目22事項で実施済みになっているなかで、新たに問題が浮上してきたものについて、資料「合意事項点検に関する意見」に基づき、委員から質問があった。空港会社の回答は次のとおりである。
共同アンテナは、山陰など場所によって見えにくい場合は、柔軟な対応をしなければならないと考えている。
不動産への公共事業による売買課税の減免措置については、騒防法・騒特法に基づく移転であれば、民営化に関係なく補償が受けられる。
 円卓会議合意事項点検総括の前文は、共生委員会記録集の編纂との整合を図り、作成する。
 
  (2) 情報公開
簡明なパンフレット「民家防音工事編」
 資料「住宅防音工事のお悩みありませんか?」「住宅防音工事相談への対応について」に基づき、空港会社から報告を受けた。
 一般向けに作成した「住宅防音工事のお悩みありませんか?」については、5,000部発行する。12月22日の第64回共生委員会には完成版を提出する。また、「住宅防音工事相談への対応について」は、市町の窓口などに置き、活用してもらう。
 
2.共生委員会第7期総括
 第7期総括については、資料「共生委員会第7期総括の構成(案)」に基づき、共生委員会事務局から報告を行った。
 2009(H21)年1月9日の7期任期満了までに作成する。
  
◇意見交換
円卓会議合意事項の点検
重点をおく事項「平行滑走路の供用開始時における発着回数は20万回を限度として、その後の回数増加は地元と協議する」の総括で、「また4000m滑走路の暫定措置(1日あたりの発着回数370回)の対応についても地域への説明を望む。」という一文があるが、22万回の話をする際に4000m滑走路の発着の説明もあわせて行ったと認識している。
この事項の対応状況の中で、「4000m滑走路については現状の年間13.5万回を維持し」ということで、お願いをして了承していただいている。22万回の際に、例えば、地域にどういう運航をするのかという説明を求められれば、国、空港会社としても積極的に取り組みたい。ここに改めて記述する必要はないのではないか。
今まで「暫定措置」といわれるものがしばしば使われてきているが、暫定措置が暫定でなくなってしまうと理解する住民がいる。本来はこうだけれども、こういう理由で、このくらいの期間、暫定措置をとるということの理解を得なければ、無駄な軋轢を生むもとになる。表現は検討するにしても、書いておく必要がある。
誤解を招くので、年間13.5万回と1日あたり370回を併記すべきである。
13.5万回を飛ぶときの1日あたり370回という説明は地元に十分されていると思う。ただ、平行滑走路の供用時には23.5万回の発着が可能になるが、当面22万回とした。22万回で平行滑走路が供用されるときに、4000m滑走路の年間発着回数13.5万回、1日あたり370回をそのまま継続するのかどうかということ。暫定的に了承したものの取り扱いがどうなるのかを地元に説明してほしいという趣旨である。
それは「22万回時における各滑走路の年間発着回数と1日当たりの運航計画を地域に示す」に含まれているので、二重に書かれているイメージがある。
その表現では「暫定的に」という意味合いが入っていない。本当は元に戻るはずだったと住民は思っている。ところが、平行滑走路の供用が遅れたために、暫定が長引いて、いつの間にか22万回になってしまった。4000m滑走路の発着回数が一度も元に戻らないのはおかしいという意見が地域にあるので、そこはしっかりと書くべき。
2180mと4000m滑走路では離着陸できる航空機のタイプも大きさも違う。2500mになれば同等とは言わないまでも、かなり4000mに近い運用が可能になってくるというなかで、今、370回と176回という2:1ぐらいの割合で4000mに負担がかかっているのは事実である。
平行滑走路の機能を十分に発揮できないところで、4000m滑走路の回数を暫定的に増やした。平行滑走路の能力が上がれば、そちらの発着回数が増えるので、当然、暫定措置を撤回して減らすという含みがある。
当時、空港会社としてはそういう説明をしなかった。年間13.5万回ということで、暫定平行滑走路供用のときにお願いしたけれども、13.5万回を引き続き維持させてほしいと言った。北側にずれたために本来計画の2500mよりも機能が低い平行滑走路になってしまったので、戻すという含みはなく、13.5万回の発着回数を4000m滑走路で維持させてほしいと説明した。
途中のプロセスから話しているが、出発点からいくと非常に問題がある。当時、まだ平行滑走路ができていなくて、4000m滑走路が限界まできていた。騒音対策が330回という発着回数に基づいて引かれたコンターであったが、そのときにすでに360回まで飛んでいた。2500m平行滑走路ができるまでの暫定的な措置として、もう10回増やさせてほしいという文書がはっきり出ている。地域は本当にそうなら協力するという話になったが、平行が2180mと短かったので、本来の能力を発揮できないからこのまま13.5万回で我慢してほしいということになり、不承不承納得した。ところが、2500mになったときに、このまま維持させてほしいという話になってきた。さらに、年間30万回飛ばせる能力があるというような話も出てくれば、話が違うということになってくる。30万回だったら、平行滑走路も13.5万回の能力はあるだろうということ。
2500mになっても本来の能力を発揮できない、制約ありの滑走路であるという問題がでてきたわけだから、空港会社は住民に丁寧に説明しなければいけない。
22時台の便数の遵守に関連して、暫定平行滑走路の運用時間を、2009年夏ダイヤ開始日から4000m滑走路と同じ6時から23時までとする旨の説明を受けたが、航空会社からの平行滑走路の22時台の要望は多いのか。
2009年3月の時点では、2180mの滑走路に合わせた機材を導入している航空会社が少ないため、ほとんどない。2500mになれば、変わってくると思うが、大型機しかないところもある。


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