共生スタディグループ
      ・新共生スキームプロジェクトチーム 意見交換

日  時: 2008年(平成20年)12月12日(金)午後2:10〜
場  所: 成田空港地域共生委員会事務所
出席者: 共生スタディグループ、新共生スキームプロジェクトチーム(国土交通省、空港会社、千葉県)

(1)新共生スキーム
   国土交通省より、資料「新共生スキームについて(案)」の説明を受け、意見交換した。
 
新共生スキームのあり方
(案)の全体的な印象を言えば、共生から共栄、点検は終わり、という感じを受ける。
「共生」が前提の「共栄」であることを、今後の業務の目的にきちんと書き込む。
基本的な考え方に書かれているように、共生の理念は当然、引き継がれる。
地域委員は地域の利害を代表して発言しないことを大原則とし、双方が議論を尊重しあって共生の実現のために力を尽くしてきた。それを新しい組織にもはっきり明記すべき。
共生委員会は、住民と空港がしっかり対話できる場として信頼関係を作ってきた。そのプロセスは残さなければいけない。
マイナスの影響を受けている住民が、共生委員会がなくなり別の組織ができると聞いたとき、マイナスに関する住民の意向がうまく伝わらないと受け取られかねない。
 
新共生スキーム(暫定組織)の業務
「『共生』に関すること」についてもう少し具体的に、たとえば「残された課題、新たに発生した課題を双方向対話型による話し合いで解決する」など、明確な表現をすべき。
日本を代表する空港があるわけだから、プラスの議論はすべきであるが、それにはマイナスの要因をきちんと捉えて地域の声を反映させ、マイナスの地域との信頼をきちんと作ったうえで議論すべき。
共生大綱の理念にあるマイナス面を緩和するという点で、参加メンバーが連帯して地域社会に対して責任を負うということを確認しあう、これを暫定組織にも新共生スキームにも明記しておくべきだ。
合意事項を決めた当時の課題はほぼクリアしつつあると思う。しかし、22時台の便数、W値の問題など、残っている課題があるので、点検は終わったという書き方は誤っているし、残っているということをはっきり書くべき。
点検はあらかた進んだので、いったん区切りをつけたい。点検はなくなっても合意事項そのものはなくならないので、残っている問題は暫定組織で新たな課題として話し合う。
14年間の中で信頼関係ができてきた。新たな問題が出てくると思うが、「点検」ではなく「双方向対話型」の話し合いの中で共生理念を生かしてできるのではないか。
暫定組織を地域振興連絡協議会(千葉県)の傘下で行うとあるが、マイナス対策は非常に大きな問題で、@未解決の課題、A新たな課題、B現在の対策が将来後退する恐れ、この3点を千葉県はどう解決していこうと考えているか。
民営化の覚書75項目があり、残された課題や、容量拡大、完全民営化など新たな課題も出てくる。四者協議会ワーキンググループで課題を整理し協議しながら、四者協議会にフィードバックしていきたい。
地域づくりについては行政がメインでやるものなので、大きなことはできないと思う。たとえば11/20の共栄型地域交流会のようなものから始めていって、暫定組織の中でどのような地域づくりがふさわしいのか検討していくイメージを持っている。
 
暫定組織の名称
共生委員会から名称変更する必要があるのか。共生委員会は今までも、国・空港会社が構成員になるなどマイナーチェンジしながらやってきた。共栄を考える場合も、共生の理念を持った共栄であるべき。今まで培ってきた理念を表す「共生」があった方がよい。
暫定組織で「共栄」的な業務を行い、名称にも「共栄」を入れようということになった。
名称は変えるべきではない。共栄の部分は他できちんとやっているので、そこまで手を広げる必要はまったくないと思う。
共生委員会発足時も、「共生懇談会」では懇談して終わってしまうから「委員会」として点検業務をやることになった。暫定組織の名称も「○○懇談会」は良くない。
「共生共栄委員会」のように名称に両方の要素を並列させることで落ち着くのでは。
当初の共生委員会をステージ1、国・空港会社が構成員になったのをステージ2、暫定組織をステージ3としたら、「別物になるのではない」ということが第三者に分かるような名称にしたらどうか。
 
(2) 歴史伝承プロジェクト
 空港会社より、資料「今後の歴史伝承プロジェクトの展開について(案)」の説明を受け、意見交換した。
今後の歴史伝承プロジェクト
歴史伝承は共生委員会が母体となってできた組織であるのに、共生委員会の次の暫定組織にまったく引き継がれないのは問題。
歴史伝承については、この春に空港会社の事業で行うことが決まった。NAAプロジェクトチームをつくり、公平性を担保するため、第三者を入れて議論していく。
 
歴史伝承委員会の今後
歴史伝承委員会は展示施設開館まで必要だと申し上げた。その点はどうなったのか。
資料収集整理から展示に軸足が移るので、現体制のままの歴史伝承委員会の存続は考えていない。
 
NAAプロジェクトチームのあり方・メンバー
一切が空港会社の独自事業となった場合、外部監査的な部分で不安が残るのでは。
メンバーが空港建設側に偏っていて空港反対した地域住民が一人も入っておらず、バランスが非常に悪い。アドバイザーはどのくらい意見が通っていくのか。
アドバイザーの顧問、座長、座長代理のご意見は尊重させていただく。
資料収集から展示に重点が移っても、地域住民の視点がメンバーとして保証されるべき。
この案のメンバーだけでは中立性、客観性を保てるのか疑問を持たれると思う。外部委員でもいいので、年2回とか特別展のときなどにアドバイスを受けるなどが必要だ。
施設整備の段階、その後の運営の段階についても、今までの歴史伝承の経緯が分かる人を何人かきちんとNAAプロジェクトチームにお願いしておいた方がよい。
展示については、歴史伝承委員会の主要な方にアドバイスをもらうようにする。
直に収集や聞き取りをした人が展示に参加すべきだ。
業務内容の具体的項目に対応した常任委員的な人が必要だということだ。
歴史伝承委員会と新共生スキームプロジェクトチームとのすり合わせが必要だ。
来年度、歴史伝承に関係された方に一緒に検討をしていただくことも考えている。
 
収集資料の帰属
資料の帰属については空港会社外(地域振興連絡協議会が有力)に置き、空港会社がそれを借りる形にする予定。
 
資料の収集・整理業務
資料の収集整理は、アドバイザーだけでなく、現在、作業している人の参加が必要。でなければ膨大な資料がガラクタになり、展示もできない。未整理資料の継続整理も必要。
展示しながら1〜2割は整理作業になると思うが、現体制の継続は考えていない。
展示施設ができると資料提供者が出てくるので、資料収集整理業務が完全に止まってしまうことはない。やはり受け皿が必要で、きちんと担保してほしい。


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