Q: |
完全民営化後、国は共生策の実施についてどのように担保してくれるのか。 |
A: |
「懇談会報告」にも共生策に関する報告を掲載している。その担保の仕方については、空港会社の場合、設立根拠法(成田は成田国際空港株式会社法)に基づいている。空港全体については、事業法一般はなく航空法に規制がある、担保といえるかどうか。完全民営化時は設立根拠法は廃止になるので、一般的に国際拠点空港としての事業を適正に行っていく仕組み(事業法)の検討が必要だ。 |
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Q: |
成田は共生策など固有の問題が多いが、それがない関西・中部とは別の法律にするのか。 |
A: |
今後、内閣法制局と検討することになる。懇談会では、国際拠点空港として3空港に共通する部分は同じスキームであるという考え方だ。仮に成田独自の法律ができても、今までの設立根拠法とは違うものになる。 |
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Q: |
その場合の共生策担保のイメージは? |
A: |
今後の検討課題である。現在は特殊会社なので、事業範囲の一つとして共生策を義務づけているが、純民間会社になると事業範囲の制約を法律に書けない。事業一般で留意する事項として書き込むことはできるだろうから、アプローチの仕方がこれからの課題。 |
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Q: |
たとえば「発着回数増加など大きな運用の変更は地元の合意を得るべき」という文言を法規に入れられれば、共生策担保の大きな拠りどころになるが、可能か。 |
A: |
発着回数を含む多岐にわたる会社運営を、会社がどう行っていくかがベースになる。純民間会社は財産権を行使することを憲法上の自由として認められているので、法律でそれを制約するにはそれなりの根拠が必要になり、かなりハードルが高い。 |
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Q: |
問題が発生したら、今までと同じ手法で国も空港会社も関与するということか。 |
A: |
民間会社になれば国との関係は少し変わる。国は基本的指針を作り、会社自身が事業計画などを作る。その際、国の指針を踏まえ公共的な性格を考えて、国との適合性を確保する仕組みが必要。政策として国が加わる可能性はあるが、まずは会社がどう判断するかが大きな要素。 |
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Q: |
共生委員会は法的な根拠がなくとも、今まで運営してきた。完全民営化後、このような非法律的スキームをどう運用していくのか。 |
A: |
会社と地域との関係は、会社・国・地域で議論していく必要があり、共生委員会のあり方も同じ。共生SGでも議論されていくと思う。経営陣が替わっても確保できるような策を検討する必要がある。 |
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Q: |
完全民営化にあたり、羽田と成田の役割分担が重要。成田−国際、羽田−国内という分担を今後、通していけるのか。 |
A: |
「懇談会報告」にも役割分担を課題として挙げており、この分担が整理されていることが完全民営化にあたって必要。 |
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Q: |
上場に際して整理しておくべき課題にある「容量拡大−将来の増大する首都圏航空需要への成田空港の対応方針の明確化」という箇所の意味が分かりにくい。 |
A: |
首都圏の国際航空需要は着実に伸び、22万回に増便されたとしても、いずれ飽和状態になる。そこで懇談会の場で、首都圏の2空港でどう需要を賄うのか明確にしてほしいと空港会社から要望したということ。 |
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Q: |
将来像を株主に明確に説明するのは必要だが、その前に解決すべきことが多い。内実が伴わずに上場の時期を迎えてしまうおそれがある。 |
A: |
「懇談会報告のイメージ」にあるように、国の基本的指針を踏まえ会社が計画を作成するが、「利用者、地域等への明示」が必要だとしている。きちんとした法スキームができれば、将来像について地元と会社とのやりとりはありうる。 |
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Q: |
地域の意見をまとめるような対話のスキームがない。上場を踏まえ、それが必要だ。 |
A: |
それをどうするか、今後の検討課題だろう。 |
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Q: |
民間会社として自立性を持つと、国が財産権を制限するのに相応の根拠を求められる。他方、厳然たる公共施設であり、独占力が強い。敵対的買収のような意図的攻撃などに対する防御も、今までと違って内部コストになり、そのコストのために環境対策がなおざりになるのは非常に問題だし、空港会社も利益を上げにくくなる。それに一定の規制を設けておくこと自体がコスト節約的で、それなりの経済合理性を持つと考えられる。それは公共性の担保という一般的原則から出てくるもので、環境対策と整合しうる。この考え方も念頭に置いていただきたい。 |
A: |
会社の経営の自主性確保と、空港の公共性、地域独占的な性格、代替不可能な性格との調和をどう図っていくかが難しい。環境対策についても、会社の資本コストに見合った対策を講じないと、株主に説明がつかない。たしかに、その部分が内部コスト化して義務づけられていれば、いちばん説明しやすい。どこまで会社の自主性をしばれるか、法律に入れられるかは、前述の調和についてさらに検討していく必要がある。 |