円卓会議合意事項の点検状況


2002年度(平成14年度)前半

日  時: 2002年(平成14年)10月30日(水)午後1:40〜
場  所: 成田空港地域共生委員会事務所
参加者: 国土交通省、空港公団、共生財団、千葉県、成田市、芝山町、下総町、共生委員会


 円卓会議合意事項の実施状況について点検表に沿って説明を受け、議論をおこなった。主な内容を以下に挙げる。

1.騒音問題
民家防音工事再助成
共生委員会:サッシの部品交換工事の実績が約15%で、他の工事に比べて低いのはどうしてか。住民がこの助成について知らないということはないか。
共生財団:個々の部品の数をそれぞれ見込んでいるので計画数が多めになっている。この助成についてご存知ないということはないと思う。防音工事を実施された住民の方宛にDMを4,200部郵送して、この助成を利用していただけるように周知を図った。
共生委員会:騒音測定の結果、防音工事をしなくても29dBの遮音効果があるので、空調機だけ入れてほしいという方がいる。防音工事と空調機はセットだと思うが、対応できないか。
空港公団:前向きに検討しているが、補助金の適正化法などの問題があり、もう少し時間をいただきたい。

民家防音工事施工改善
共生委員会:サッシの軽量化をメーカー等に要請した結果、どのようになっているか。
空港公団:メーカーでは、需要がなく研究開発には力を入れていないということだった。現状において限界に近いと聞いている。
共生委員会:B工法サッシは重いだけでなく、ロックや戸車など引き寄せ機構がよく壊れる。もう少し耐久力について改良する努力を要請できるのではないか。また、補修の費用負担、特に交換の場合の自己負担が大きく、軽減措置をとっていただきたい。
空港公団:共生財団との関連を調整して考えていく。

低周波騒音
空港公団:9月に低周波実態調査をおこなった。実際のデータと航空機との関連を分析し、専門の先生方にも分析していただき、年内12月には方向性をまとめたい。

体制整備
共生財団:WECPNL値の逆転現象(暫定平行滑走路単独の値より、4000m滑走路とあわせた値の方が低くなる)については、暫定平行滑走路供用後から8月までのデータでは、101局中10局に現象が出た。その差は0.00台である。
共生委員会:その現象がどういう地域でどのように起こっているのか、資料を提供していただきたい。また、WECPNLについて勉強会などを通して考えていきたい。

エンジンテスト
共生委員会:暫定平行滑走路供用によりエンジンテスト等の頻度が高まるのではと予想されるので、成田市三里塚地区と芝山町千代田地区などで調査していただきたい。

防音林・防音堤
空港公団:防音林・防音堤の未買収地については、引き続き用地交渉に努力している。
共生委員会:平行滑走路関連の防音林・防音堤の減音効果はどの程度か。
空港公団:減音効果はあがっているが、着陸帯等の距離、航空機の機種や重量、風の強さなどにより、定量的表現は難しい。

2.移転問題
共生委員会:騒音問題によって移転された方々が、以前と同じような生活が確保されているか、調査などをされていたら教えていただきたい。
空港公団:円卓会議のとき、千葉県が中心になり移転後の状況調査をしたことがある。その後はそういう趣旨の調査はしていない。移転の際、意思疎通をはかりご相談しながら、丁寧に対応していきたい。

3.落下物問題
空港公団:今年度も2月頃に着陸機の着氷調査をおこなう予定である。
共生委員会:南側の洋上脚下げ点検は、両方の滑走路をどのように点検するのか。
国土交通省:両滑走路の中間地点に点検場所を移して点検する。

6.滑走路計画
飛行回数、 深夜便の運航
共生委員会:「両滑走路とも平行滑走路の供用時点で、22時台の便数は、それぞれ現在の4000m滑走路の便数(10便/日)以下とする。」とあるが、現在の両滑走路の22時台の運用状況はどうなっているか。
国土交通省:22時台の運航を制限するために、航空会社と調整をして現在1日あたり6.4〜7.7回の運航計画を立てている。実際の発着時間ベースでの現状を調査した結果、暫定平行滑走路が供用された当初は1日あたり11.1便、9月では13便であった。ディレイ(遅れ)の影響、貨物便の荷の積み降ろしの遅れにより、21時台の運航機が22時台にずれ込んだものと考えられる。荷積みの影響調査、地上走行の調査、空域の調査をおこない改善策をとっていきたい。また、ディレイの改善のため誘導路の追加も考えている。

7.移転跡地
空港公団:移転跡地は用地部が用地の保全、巡回などをしている。その中で貸付関係や景観整備をおこなう部分は地域共生部に移管している。
共生委員会:空港周辺の土地が荒れているという話も耳にする。地域共生部の管理状況は報告を受けているが、その他の移転跡地についても報告していただきたい。

共生委員会:暫定平行滑走路の供用にともなう新たな問題の出現、合意事項に則さない問題も出てくる。合意事項についてはそれなりに評価されて良いが、引き続き、よりよい地域と空港の共生のためにお力添えをいただきたい。

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