◆農業用ビニールハウス汚染原因調査報告会
2001年(平成13年)6月からおこなわれている農業用ビニールハウス汚染原因調査の最終報告会がおこなわれた。はじめに(株)ダイヤ分析センターから資料による説明があり、引き続き、質疑応答、意見交換がおこなわれた。この報告を受け、空港公団はあらためて関係者の意見を求め、取りまとめをおこなうとしている。 ・今回の報告では、ビニールの汚れと航空機の排気ガスの因果関係は認められないという結果になるのか。→黒いカーボンがあることは事実だが、それが何に起因しているかは特定できない。 ・ノイズサプレッサーから採取したカーボンと、ビニールに付着していたカーボンが一致しているかどうか、その分析の結果を説明してほしい。→カーボンの種類が、航空機のものかその他のものか識別ができなかった。 ・カーボンの分析はこれ以上可能か。→どういう手法が残っているかを踏まえ、空港公団と相談したい。 ・浮遊粉塵の中にある成分でビニール表面にないものがある。同時期に採取しているのに、これはどういうことか。→ビニール表面に付きにくいとか、雨による水洗が考えられる。採取方法の違いも関係している。 ・浮遊粉塵を10,000立方メートルも採取するのに対し、ビニールシートは20×40cmしか採取しないのはアンバランスではないか。→浮遊粉塵はフィルタを通し、最終的にはフィルタ表面の一部をサンプリングして分析しているので、量的にはほぼ同量を分析にかけている。 ・ビニールシートに油分のようなものが付着し、熱でとけて穴が開いた。その調査をしてもらったときも、その油分が航空機のものか判明しないということだった。どのような調査も同じような終わり方をするので、どうも釈然としない。→ダイヤ分析センターは日本ではかなりハイレベルの分析会社で、住民の方々からの推薦もあった。今以上の詳細分析が可能な研究所等があれば、またあたらめて調査することも考えるが、現時点での分析能力はここまでだと思う。 後日、ダイヤ分析センターからあらためて質問事項への回答があった。採取したカーボンは非晶性であったため、カーボンの由来が特定できなかったとのこと。今後の方向として、住民代表、空港公団、共生委員会で次のことを確認した。 ・日本の分析技術の水準で、非晶性カーボンからその由来を特定できるかどうか、ダイヤ分析センターから報告していただき、空港公団と協議する。 ・航空機の排ガスが、どの程度の量、範囲に及んでいるか把握し、提示できるかどうか、空港公団で検討する。 |